「なかなか売れない」物件オーナー様へ

“ワケ”がある物件を売るには

不動産市場には、いつの時代も「すぐに売れる物件」と「なかなか売れない物件」があります。一般的に、売りに出してから6ヶ月以上手応えのない期間、売れない期間が続くと「売れにくい」要素を持っている物件と考えられます。そしてその時間が長くなればなるほど、その物件は「ワケあり」として認知されていきます。もちろん、表立ってそのような言葉は口にしませんが…。

「ワケあり物件」と聞くと、なんだか怖いようなイメージがありませんか?よくあるイメージだと「殺人」や「自殺」、「孤独死」等があった物件かな?と予想される方が大半かと思います。もちろん、そのような物件は明らかにワケありですが、それは特殊な方の物件です。実は、「ワケあり」という言葉のインパクトがあまりに強すぎて、普段はあまり意識されていない事情のワケあり物件もあるのです。

まず、ワケあり物件とは、通常「瑕疵物件」のことをいいます。瑕疵物件(=かしぶっけん)とは、物件そのものやその環境に何かしら欠陥のある物件をいい、下記の条件に当てはまる物件はワケありに部類されることが多いです。

  • 自殺や死亡事故、孤独死などがあった物件
  • 同じマンション内で過去に事件のあった物件
  • 近隣に工場があり、時間帯や風向きによっては煙がくる物件
  • 過去に火災や水害による被害のあった物件
  • 近隣に指定暴力団組織、宗教施設が存在する物件
  • 火葬場やゴミ処理施設などの嫌悪施設が近在する物件
  • 登記簿謄本に記載された権利関係がややこしい物件

ワケあり物件を大きく分けると、1)物理的瑕疵物件、2)法的瑕疵物件、3)環境的瑕疵物件、4)心理的瑕疵物件の4種類に分類されます。

「物理的瑕疵」・・・建物なら欠陥住宅、違法建築、再建築不可建物など。土地なら変形土地、土壌汚染土地、不等沈下物件などを言います。
「法的瑕疵」・・・建築用途制限、境界トラブル、借地トラブル等、法制限が絡んだ瑕疵要素を言います。
「環境瑕疵」・・・物件そのものではなく、物件の周囲に墓地、火葬場、刑務所、ゴミ焼却施設などの世間一般的に好まれない種別の施設がある等。騒音や振動、養鶏・養豚酪・酪農施設による糞尿臭がある等。
「心理的瑕疵」・・・以前、その部屋もしくは建物敷地内にて、自殺や他殺、孤独死等が原因で、亡くなった人がいるケース等。

これらは物理的、法令上には何も問題はありませんが、「住人の心理に影響を及ぼしうるもの」として扱われています。

“同じマンション内で過去に事件があった”等は告知事項に当たりますが、マンションの共有部分での事故や、今ある建物を建て替える前に起きた事件にも告知義務は発生し、そして事故物件として扱われます。つまり、事故物件とは、「事件が起きた部屋」だけが事故物件・告知対象物件ではないのです。そして、告知された物件は、買主が心理的に気になる項目があるため、購入に至る方はほとんどいないのが事実です。

瑕疵がある物件は、重要事項説明書に必ず記載しないといけない事項になります。そのような瑕疵事情を説明すると、普通の人は購入を控える傾向が強いため、その告知が物件価格に大きな影響を及ぼしているのは紛れもない事実です。しかし、不動産売買が成約するか否かは、金額だけではなく人生にとっても大きな出来事であり、所有がたまたま“事故物件化”してしまった売主さんから
すると、売却出来るかどうかは本当に切実な問題です。

しかし一方で、ごく稀ではありますが、「事件が起きた部屋でないのであれば(同じ建物のどこかで起こった事件なのであれば)、あまり気にならない」と思う人もいます。通常、事故物件は相場よりおよそ30~50%程度安く売却される傾向があります。この値引き幅が、気にならない方にとってはお買い得感があり、「物件安く買える!」という購買意欲になるのです。実際に、事故物件を購入される方は、「それらは個人差のある心理的な問題であって、建物そのものの構造や内装には何ら問題はない」、「部屋全体をリノベーションすれば、住むのに不自由はない」と割り切って考えています。

弊社は、一般の方には探しにくいワケあり物件の情報を集めて、ワケあり物件をお探しの方や、買取り業者にそれらの物件情報を届けます。人が避けたがる物件だからこそ、誰かの橋渡し、活用に関する積極的なアドバイスが必要不可欠だと考えます。

まずは一度、気軽なご相談でも構いません。
貴方が抱えるご事情や、物件に関する相談事をお聞かせください。