飲食店は大変厳しい仕事ですが、大きな魅力のある仕事でもあります。何と言っても、飲食店の魅力は一国一城の主になれることです。
飲食店は、自らの力で事業を立ち上げ思い通りの経営が出来ます。同時に、苦労して身につけた料理・接客技術を試す機会でもあります。
ブランド力・知名度・組織が無くても、大手とも対等に戦いが出来ます。
店が評判を得顧客の支持を得られれば、2号店・3号店も展開出来ます。
頑張れば頑張った分、自分の収入が増える点は、勤め人には味わえないのが飲食店の魅力でもあります。
飲食店経営は局地戦です。
飲食店は、徒歩で7~8分位の狭い商圏です。
お店の評判が上がれば必然的に店の商圏も広がって行きます。ですから、個人店でも大手のチェーン店とも対等に戦えるのです。
しかし、駐車場が十分確保されていれば商圏は限りなく広がります。大手のチェーン店は郊外に充分な駐車場を確保して集客します。それでは勝負になりません。独自の路線を模索するしかありません。
飲食店の魅力は現金商売であることです。売り上げはほぼ現金です。売り掛けでもクレジット払いであるので未回収は余りありません。
仕入れの支払いは買掛金による後払いですから資金繰りが楽です。人がいる所必ず飲食店があります。
飲食店は原価率が低く粗利益率が高いので利益を出し易くなります。難しい国家資格がなくても、成功する可能性があるのが飲食店です。
自らから考えた商品に加工して提供するので努力し甲斐があります。厳しい評価も出て来ますが他業種では味わえない楽しみがあります。
飲食店を成功させる為には商品・サービス・清潔さは絶対条件です。
飲食店を開業する時絶対必要となるのが、開業資金・飲食店の経験・周りの支援・家族の理解・情報収集です。
まず、開業資金です。
飲食店を開業するのに大雑把な計算で、坪当たり100万円位掛かると言われます。
開業するには、お店の賃貸借契約が必要ですが、都会・商店街・繁華街・ビジネス街・住宅街等の地域・場所によって家賃始め敷金・保証金が相当変わります。
商店街・繁華街・ビジネス街等、昼夜活動人口が多い地域程、地価も高くなりますから必然的に家賃等が高くなっています。
賃貸借契約時には、礼金・敷金等の一括の現金が必要です。
沖縄ではビジネス街でも家賃の5・6ヶ月分位で収まります。
飲食店をスケルトンから開業するには、内装・外装の造作費・テーブル椅子等・厨房の給水・排水・排煙・電気等の工事費や、空調設備・照明工事・什器等が必要です。造作設備の程度で変りますが、坪当たり35~50万円位です。30坪を開業するには1,000万円位の資金が必要になります。
自己資金として1/3程度は準備しておきたいところです。
次は、飲食店の経験です。
飲食店に勤めた経験が全く無いのに開業と言うのは無謀です。開業前にアルバイトでもいいから現場の経験をしたいものです。飲食店開業の目的があるので非常に勉強になるはずです。
飲食店の経験がない方が開業した場合の廃業率は約25%です。
飲食店は4人に1人がお店を閉める結果になっていのです。飲食店の開業は現場の経験が如何に重要かを物語っています。
周りの支援も重要です。
飲食店の開業は周りの方々の支援が絶対必要です。成功した方々は、知人・友人に助けられた経験を持っています。
お客を紹介して貰ったり、職場の同僚を連れて来たりしてくれます。資金繰りが困った時にはお金を貸して貰ったりする事もあります。
経営は周りの方々の理解・信頼・協力があって成功出来るのです。
さらに、家族の理解です。
経営は収入も不安定で成功するという保障は全くありません。夜が遅く体力的にもきつい仕事で生活サイクルも不規則になります。そのような環境下で行なって行くには家族の理解が不可決です。
経営は困難の局面に遭遇した時家族の支えが1番心強いものです。
最後に、情報収集です。
飲食業界は厳しい競争の世界です。そしてネット情報の時代です。飲食店の情報番組・グルメ雑誌等沢山のメディアが飲食店情報を発信していてそれらの情報を見て客が来る時代でしたが、時代の進化は早すぎて、今やスマホが情報の世界を凌駕しています。
飲食店経営がこれらの情報を如何に活用するか考える時代です。自分のお店の情報を逆発信する事を考えるくらいじゃないと飲食店厳しい競争に勝ち残れません。
常に最新情報にアンテナを張り巡らせておく必要があります。