売却時注意すべき事(その1)

売却時注意すべき事(その1)

①店舗売却は、営業している間にすべし

居抜き店舗の売却が、サイトやホームページ等で掲示された時、購入者は、店の経営が上手くいかないから売却すると思っています。

実際は、経営は順調だったとしても、本人やパートナーの奥さんが身体をこわしたり親の介護とか様々な事情があったりしますが、しかし、他人はそうは思っていません。

又、お店を閉めてから売却に出す場合、カラ家賃を払っている状態ですので購入者側は足元を見ているので値引き交渉をしてきます。

本人は、収入は無くなった上に家賃は出て行くので、売り急いでいると思われますので相当の値引きを要求され、買い叩かれてしまう恐れがあります。ですから、売却する際は、お店が営業中の時に売却の広告を考えるべきなのです。

②家賃の滞納は、賃貸借契約の解除に直結します。
例え、お店を閉めていても家賃の支払いを滞っては絶対にいけません。家賃を1ヶ月でも滞納すると直ちに家賃保証会社が督促に動いてきます。
こうなると、仕事も手に着かなくなります。どんな工面をしてでも家賃を払うのが優先です。大抵は2ケ月以上滞納すると賃貸借契約違反になり契約解除対象になります。ここまでくると、造作設備の売却も出来なくなる可能性が出て来ます。

厨房機器・空調機器等のリースが残っている場合には、事前に対策をしましょう。

本人が払えなくなった場合は、本人と連帯保証人に一括請求してきます。それが履行できない場合は、リース会社は機器を指定業者に僅かな額で売却し残額は法的手段を取ってきます。しかし、造作設備購入者が決まれば、賃借人と協議の上リースを引き継ぐ事が出来る場合があります。

しかし、リース会社に厨房機器・空調機器等が引き払われると、虫食い状態となり、次の賃貸契約で入居者が決まらない等困った方向に展開していく場合があります。

その事を想定した貸主・家主は店舗をスケルトン状態に戻す事を要求してきます。すると、貴方はスケルトン状態にする為の撤去工事費が新たに出てきます。
そしてその工事期間中も、家賃は発生し続けています。

閉店を考えるならば、家賃を支払うのが出来なくなってからでは遅いのです。

退去予告をする前に売却行動を起こす必要があります。
上手く行けば、ご自身の再出発資金も残せるのです。

③正しい価格設定
お店を居抜きとして売却に出す際、ほとんどの方が開店資金を取り戻す為に価格を高く設定しがちです。
「1,000万円も掛かったお店なのだから500万円位では買う人は沢山いるだろう」、広告を出してから1ヶ月では売れるだろう!と甘く考えている節があります。

現実は、200~250万円の価格帯を超えると、買手はそう簡単には決まりません。 売却する方は、自分が貰う売却価格だけしか見えていません。

しかし、購入する側はそれ以外にも、賃貸契約の際の費用(家賃の5~6ヶ月分)や看板費や店内リフォーム費用、それに運転資金等もプラスして貴方の店舗を見ているのです。 例え、お店は200万円で買えても、総資金はそれの2.5~3倍位を見ています。

居抜き店舗の売り手と買い手は、対立関係にあります。「売り手:できるだけ高く売りたい」VS「買い手:できるだけ安く買いたい」の構図です。

売却する方は「売れるかもしれない」と2~3割高めの売り出し価格を設定しますが、その価格では決まらず、適正な価格になるまでは決まらないというのが現実です。

価格が決まるまでの期間も借入金のローン返済その他の経費も確実に出ていきます。
決まったとしても購入者は融資を利用するかも知れません。融資が実行されるまでさらに2ケ月位かかります。
その期間もローン返済等は続いています。初めから、適正価格で売却出した方が、早く売却出来、結果的には「得を」します。


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