独立したい自分と躊躇する自分

「独立をしたい」と思う感情は不思議なものです。

最初に「独立をしたい」と思うきっかけの多くは、現在勤めている会社の規則や、日々の多忙さ、理不尽なことに疲れ果てたときに頭をよぎるのが独立の二文字だったりします。

会社にお勤めの方は、会社での仕事は多少少なくとも、食べていけるだけの給与は確実に保証されています。日々のノルマに追われ、連日の残業で疲れ果てていても、その先には生活の「安定」という揺るぎない安心感があるから、やっていけます。ところが、独立して起業するということは、野生で生きていく判断をする、ということです。

一度、イメージしてみてください。

あなたは動物園で暮らすとある動物です。そこでは毎日食べるものが与えられ、嵐や外的危険から守れられていましたが、ある日突然、自由ひとつを身にまとい荒野で解放されます。

そして、その荒野にいるのは、同じように動物園を出てきた者か、それらをはるかにしのいでずっと野生で勝ち生き残ってきたベテラン野生動物達。彼らと肩を並べ、まさに“食うか食われるか”の世界で日々体当たりで餌を獲得し、その餌を持ち帰って自分で食べ、家族にも分け与えます。

時には大嵐や乾季で、餌を得る以前に取り巻く環境がピンチになることもあります。しかし、以前のように、雨風から守ってくれる頑丈な建物や檻、快適な空調設備などはどこにもないのです。自分でその時間をしのがねばなりません。

そして、それが明日もあさっても、生き延びるために、また狩りに出かけていく。

この繰り返しが「独立」の現実です。独立とは、厳しい競争世界で戦い勝って、生きていく為のお金を得ることです。

普通に会社入社して、普通に毎日通勤している人でも、ある日ふとしたことから独立・起業を考え始めたりします。自分で起業方法を調べたり、セミナーに行ってみたり、経験者に話を聞きに行ったりして、そのテンションは一気に高まります。

しかし、その後は、どうでしょうか。

独立を考え、周囲に切り出した人の多くが次に対面するのが、周囲からの大反対という壁です。様々な意見や成功しないだろうという憶測を聞かされたあなたは、持ち上がっていたテンションとは相反する、猛烈な不安に捕らわれることでしょう。この不安は何も、今になって初めて生まれてきたものではありません。実は最初から自分の中にあった種ですが、希望の方が勝り、自然と蓋をしていた感情ともいえます。

それでも、一度志した独立のために周囲の説得の継続や資金調達を試みますが、うまくいかない時間が長引くほど「不安」は「諦め」に形を変え、あなたの言動すら弱々しいものに変えていきます。

独立を諦めることを周囲に伝え、それを「正しい判断をした」「地道に働くのが一番だ」と身内も喜びます。

そして一番皮肉なことに、

当の本人も、心のどこかでホッと安堵する気持ちがあり、その瞬間、自分の脳内を駆け巡っていた失敗・心配の渦から解放されるのです。

これが、「独立」の望む自分と、「安定を」望む自分の狭間の姿です。

結果的に、普通の人はこの経緯で結果的に90%の方は独立という行動に移るまでに至りません。自分の内なる魂の弱気が、「やらない方がいい」「今ならまだ引き返せる」と囁き続け、その声に従う先にある安心感に「正しかった」と安心感を求めるのです。

本当に独立・起業をしたいのであれば、勇気のある決断をしなければなりません。勇気のある決断は、周囲を変えます。

勇気がある人とは、不安のまま未知の世界に飛び込む行動が出来る人のことです。


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